- 再就職手当って派遣でももらえるの?
- 申請の流れや必要書類がわからない
- もしすぐ辞めたら返金しないといけない?
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
再就職手当は、失業手当の受給資格がある人が早めに就職した際に支給される制度です。
ただし、条件や書類の提出方法がやや複雑で、派遣の場合は特に不安を感じやすいポイント。
私自身、派遣として再就職手当を申請し、支給までの流れを体験しました。
さらに、再就職後に2か月で退職するという予想外の展開もあり、「この場合はどうなるの?」というリアルな疑問にも直面しました。
この記事では、ハローワークでの再就職手当の申請から支給までの流れを、実体験をもとにわかりやすく解説。
派遣でも安心して申請するためのポイントと、すぐ辞めた場合の対応まで紹介します。
はないろ「派遣でも大丈夫?」「短期で辞めたらどうなる?」
そんな不安を感じている方こそ、読んでほしい内容です。
失業手当の基本的な仕組みや計算方法については、下記記事でくわしく解説しています。
主婦のための失業手当ガイド|もらい方・手続き・再就職支援までわかりやすく解説
再就職手当とは?派遣でも対象になる?
再就職手当とは、失業手当の受給資格がある人が、支給期間を残したまま早く再就職した場合にもらえるお祝い金のような制度です。
「失業中の生活を支える」のが失業手当なら、「早く再スタートを切った人を応援する」のが再就職手当。
目的は、働く人の早期復帰を後押しすることにあります。
たとえば、まだ失業手当をすべて受け取っていない段階で仕事が決まると、残りの支給日数分の一部(60〜70%)が一時金としてまとめて支給されます。
つまり、再就職が早いほど支給金額が多くなる仕組みです。



でも、再就職先が派遣だと対象外なのでは?



いいえ。派遣でも「1年以上の勤務見込み」があれば対象になりますよ。
契約が3か月や6か月であっても、「更新を前提として1年以上働く見込みがある」ならOK。
再就職先が派遣でも、条件を満たせばしっかり申請できる制度なのです。
再就職手当の仕組みと支給条件を簡単に整理


再就職手当は、失業手当の「残り分」をまとめて受け取れる一時金です。
ここでは、仕組みと支給条件をわかりやすく整理します。
支給されるための主な条件
ハローワークで確認した主な条件は次のとおりです。
- 雇用保険の受給資格を持っている
- 7日間の待期期間を終えてから就職している
- 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある
- 前の職場や関連会社へ再就職していない
- 雇用保険に加入して働いている
- 1年以上の勤務見込みがある(派遣の場合は更新予定も含む)
- 再就職日から1か月以内に申請している
支給率の違いとタイミングの関係
再就職が早いほど、支給率(もらえる割合)が高くなります。
- 所定給付日数の3分の2以上を残して再就職 → 70%
- 3分の1以上(かつ3分の2未満)を残して再就職 → 60%
たとえば、所定給付日数が90日で、基本手当日額が5,000円の場合
- 60日以上を残して再就職したとき(① 70%の給付率)
→ 5,000円 × 60日 × 0.7 = 21万円 - 30日以上60日未満で再就職したとき(② 60%の給付率)
→ 5,000円 × 40日 × 0.6 = 12万円
つまり、再就職が早いほど支給額が多くなる仕組みです。
自分の支給額を簡単にシミュレーションしてみよう
基本手当日額や支給残日数を入力するだけで、再就職手当のおおまかな金額を自動で算出してくれます。
*基本手当日額などは、ハローワークから渡される《雇用保険受給資格者証》に記載されています。



「このくらい入るんだ」と具体的にわかるので、次の仕事のスタート日の参考になりました。
申請のタイミングと期限
再就職手当の申請は、再就職した日の翌日から1か月以内が原則。
この期間を過ぎると、原則として申請できなくなります。
もし派遣会社への書類記入などに時間がかかる場合は、
ハローワークへ早めに相談しておくとスムーズです。



「1か月以内」と聞くと焦りますが、郵送提出も可能なので慌てなくて大丈夫です。
派遣で申請する際の前提条件と注意点


再就職手当は、再就職先が派遣社員としての採用でも申請できます。
ただし、派遣の場合はいくつか特有の注意点があります。
「1年以上の勤務見込み」があること
派遣で再就職手当を申請するとき、もっとも大切なのが勤務見込み期間が1年以上あることです。
契約期間が3か月や6か月でも、
「更新予定を含めて1年以上働く見込みがある」と、派遣会社が書類に記載してくれれば対象になります。
逆に、更新が未定だったり「短期契約」と明記されていると、対象外になることもあります。
記載内容があいまいな場合は、提出前に派遣会社へ確認しましょう。
前職と同じ派遣会社(派遣元)はNG
再就職手当では、前職の事業主や関連会社に再び雇用された場合は対象外になります。
派遣の場合、注意すべきなのは「派遣先」ではなく「派遣元(派遣会社)」です。
つまり、前と同じ派遣会社に再び雇用された場合は対象外になります。
派遣会社同士が資本や経営で深い関係にある場合は、関連企業とみなされることもあります。
少しでも不安があれば派遣会社に確認しておくと安心です。
給付制限中の再就職は「紹介経由」が条件
自己都合退職などで給付制限(2〜3か月)がある場合は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で採用されたという条件を満たす必要があります。
たとえば、求人サイト経由や直接応募の場合は、給付制限中だと対象外になることも。



私は給付制限なし(派遣契約満了での退職)でしたが、
もし自己都合退職だったら、この条件は要チェックです。
ハローワークで再就職手当を申請してみた【体験談】


再就職手当の申請書類を提出するときの流れについて、わかりやすく説明します。
手続きは大きく分けて4ステップで完了します。
再就職手当申請の基本の流れ
再就職先が決まったら、ハローワークに「採用証明書」を提出。
要件を満たしていれば、その場で「再就職手当支給申請書」を受け取ります。
申請書の一部(事業主記入欄)を再就職先に記入してもらいます。
再就職先が派遣の場合は、派遣元(派遣会社)が記入します。
再就職先が記入済みの申請書と「雇用保険受給資格者証」を提出。
郵送でも手続きでき、再就職日から 1か月以内 の申請が目安です。
申請からおよそ1〜2か月後に指定口座へ振り込み。
「支給決定通知書」が郵送で届きます。
私が申請したときの実際の流れ
①入社日前日にハローワークへ
派遣のお仕事開始日の前日にハローワークへ行きました。
再就職手当の申請をするには「採用証明書」が必要ですが、この時点ではまだ派遣会社から書類が届いていませんでした。
派遣の場合、「すぐにお仕事開始」になるケースも多く、採用証明書の準備が入社日までに間に合わないことがあります。
そこで私は、まず口頭で「再就職が決まりました」と報告し、職員さんに状況を説明しました。
すると、「採用証明書は後日郵送で大丈夫ですよ」と言われ、再就職手当の申請に必要な書類をその場で受け取ることができました。
所要時間はおよそ20分ほどでした。



派遣だと、書類郵送よりも仕事のスタートが先になることも多いです。
そんなときは、無理せずハローワークに相談してみるのがおすすめです。
② 再就職先(派遣会社)に記載を依頼
ハローワークで書類を受け取ったあと、派遣会社に郵送で記載を依頼します。
再就職手当の申請には、「採用証明書」と「再就職手当支給申請書」の2種類の書類が必要です。
このうち、派遣で働いている場合は、派遣会社(派遣元)に「採用証明書」を記入してもらう必要があります。
記入欄には、
- 契約期間(開始日・終了日)
- 契約更新の見込み
- 雇用保険加入の有無
- 勤務見込み期間(1年以上かどうか)
などがあり、派遣元の署名・押印が求められます。



この書類は派遣先ではなく、雇用契約を結んでいる「派遣会社」に書いてもらいます。
③ 必要書類をハローワークに提出する
派遣会社から返送された書類を確認し、記載漏れがないことをチェックしてから、ハローワークへ郵送で提出しました。
郵送の場合も、再就職日から1か月以内の申請が目安です。
提出前にコピーを取っておくと、不備があったときにも安心です。
④ 支給決定と振り込み
再就職手当の支給までは、申請してからおよそ1〜2か月かかります。
私の場合は、申請から約1か月半後に振り込みがありました。
振り込みの2〜3日後、ポストに「支給決定通知書」が届きました。
通知書には、支給額の内訳や計算の根拠が明記されており、どの期間が対象になったかも表で整理されています。
ハローワークでの再就職手当申請は、思っていたよりシンプルで、職員さんのサポートも丁寧でした。



派遣会社との書類のやりとりでは、記載内容をしっかり確認することが大切です。
再就職手当をもらってすぐに辞めたらどうなる?私の体験談


再就職手当を受け取ったあとに、「思っていた仕事と違った」「体力的にきつかった」と感じて短期間で辞める人は少なくありません。
私もそのひとりで、再就職手当を申請して支給が決定したあと、2か月で派遣先を退職しました。
いちばん心配だったのは「返さなきゃいけないの?」という点です。
支給決定後なら返金の必要なし
結論から言うと、支給決定後に辞めても返金の必要はありません。
再就職手当は、「早期に再就職した」という実績に対して支給されるもの。
そのため、支給決定通知が届いたあとに退職しても、支給済みの手当を返す義務はありません。



ハローワークでも「支給決定後なら返還の必要はありません」と説明を受け、ほっとしました。
たとえ支給後1週間で退職しても、その理由が自己都合・会社都合のどちらであっても扱いは同じです。
受給決定前に辞めた場合は不支給の可能性も
注意したいのは、支給決定が出る前に退職してしまうケースです。
再就職手当には「1年以上勤務する見込み」が条件にあるため、その前に辞めると審査が止まり、不支給になる可能性があります。
ただし、支給が決定しなかった場合でも、失業状態に戻れば「失業手当(基本手当)」を再開できる場合があります。
申請のタイミングや残日数によって扱いが異なるので、必ずハローワークに確認してみましょう。
1年未満で辞めた場合は、事情を説明できるように
入社時には「1年以上働くつもり」だったとしても、環境や体調、家庭の事情などで短期退職になることもあります。
そうした場合も、不正受給ではありません。
ただし、確認の電話や説明を求められることがあるため、「なぜ辞めたのか」を正直に説明できるようにしておくと安心です。



私も「仕事内容が合わず、続けるのが難しかった」と正直に伝えました。
職員さんから「そういう方も多いですよ」と言われ、安心しました。
再就職手当を受け取ったあとでも、失業保険を再度受け取れる可能性あり
再就職手当を受け取ったあとに退職しても、条件を満たせば失業手当を再度受け取ることができます。
ただし、再就職手当をもらった分は、すでに失業手当の支給日数として「消化済み」と扱われます。
そのため、残っている日数分だけ再受給できるという仕組みです。
たとえば、雇用保険受給資格者証には「残日数○○日」と記載されている場合、その日数分を再び受け取れる可能性があります。



私は次の仕事がすぐに決まったため再受給はしませんでしたが、
「残りがあれば受け取れる」と説明を受けました。
再就職の時期や支給率(60%・70%)によって残日数は人それぞれ異なります。
必ずハローワークで確認しましょう。
再就職手当をもらった後に知っておきたい2つの制度
再就職手当を受け取って終わりではなく、実はその後にも利用できる制度があります。
ここでは、
- 就業促進定着手当
- 再び離職したときに確認しておきたい制度
を紹介します。
①就業促進定着手当とは
再就職手当をもらったあと、同じ会社で6か月以上働いた人が対象になるのが「就業促進定着手当」です。
もし再就職後のお給料が、前の職場よりも少ない場合、その差額の一部(おおむね3割ほど)を補ってもらえる制度です。
対象になる人
- 再就職手当を受け取っている
- 再就職先で6か月以上働いている
- 再就職後の給料が前職より下がっている
ただし、再就職手当を申請した会社と同じ会社で続けて働いていることが条件です。



私は2か月で辞めて違う派遣会社に移ったので、対象になりませんでした。
申請のタイミング
再就職してから6か月が経過したあと、1か月以内にハローワークで申請できます。
必要書類は「就業促進定着手当支給申請書」と、再就職先の給与明細(または賃金証明書)などです。
②再び離職したときに確認しておきたい制度
再就職手当を受け取ったあとに再び離職してしまった場合、失業保険を再受給できる可能性があります。
ただし、再就職手当をもらった分はすでに給付日数としてカウントされるため、残日数があればその分だけ再度受け取れる仕組みです。
この部分については、前章で実際に私が体験した内容を書いています。
再就職手当を受け取ったあとでも、失業保険を再度受け取れる可能性あり
まとめ|派遣でも対象になる再就職手当
再就職手当は、派遣社員でも条件を満たせばしっかり受け取れる手当です。
早く再就職できた人への「お祝い金」のような位置づけで、再スタートを支えてくれるありがたい制度だと感じました。
今回の体験を通して感じたのは、「派遣だから無理」「短期契約だから関係ない」と思い込まずに、まずはハローワークで相談してみることの大切さです。
再就職手当の申請や書類は少し手間がかかりますが、職員の方が丁寧に教えてくれるので安心して進められます。
そして何より、知っているかどうかで数万円単位の差が出ることもあります。
再就職手当のほかにも、収入が下がった場合の「就業促進定着手当」など、再就職後に使えるサポート制度もあります。
条件に合うかどうか、ぜひハローワークで確認してみてくださいね。



派遣でも安心して働ける制度を知って、ムダなく、前向きにキャリアをつなげていきましょう!



